現役北京大医学生に聞く。 Q&A 勉強編

中国語学習や現地での授業について

中国語ゼロスタート!3カ月でHSK6級取得。英語が苦手でも、中国語は別物です。
進学コースの準備期間で中国語と理数系の実力を上げ、自信を持って大学の授業に臨めました。

 北京大学医学部を選んだ理由は?

 将来医師になりたい希望が強く医進コースのある高校に進学しました。現役で日本の医学部にチャレンジしましたが結果が出ず、浪人だなと腹をくくりました。その時北京大学医学部留学という広告を見付け、中国の最高学府の医学部に進学が出来ることを知り非常に興味を持ちました。説明会に参加し、先輩がすでに日本で医師として活躍していること、また実際卒業生の講演ビデオを見て「様々な選択肢がある」ことに気づきました。浪人するか北京大学医学部に進学するか悩みましたが、北京大学医学部で語学力はもとより高い医療レベルの教育を受けることにより、卒業後には日本の医学部とは違った大きなアドバンテージがあると思いチャレンジすることに決めました。
T.S.さん
 中国語学習はいかがでしか?

 中国語ゼロから約3か月でHSK6級を取得したという進学コースの記録を持っています。
とにかく24時間中国語漬けにし、CDを聞いてはシャドーイングの繰り返しを実践してきました。英語もままならないのに新たに中国語を身に付けるのは大変という考えもあるでしょう。私は中国語と英語は全く別なものと捉えました。英語が苦手で成績が思わしくなくても新しい言語として一から始めれば問題ないのではないかと思います。英語が出来なくても中国語が出来る人もいますし、進学コースでは中国語に100%集中するので本気でやれば必ずできるようになると思います。授業では英語が混ざってきますし、中国の医師国家試験には英語での出題があるので英語力の向上も必要です。しかしまずは中国語をある程度のレベルに上げてから英語の勉強をすれば充分間に合うと思います。

 理数系科目についてはいかがでしたか?

 物理が未履修だったのですが、私は問題を解いて問題に慣れるようにしました。わからないところはネットなどで検索し、公式や解き方などを日本語である程度理解しそれを中国語に戻してやるというふうにしました。また進学コースにいる学生に教えてもらったりして未履修分をカバーしました。文系出身者もいるので、そこは皆で工夫しながら乗り越えています。
T.S.さん
 出願時の学力について

 私が考えるには、センター試験で7割くらい取れていれば大丈夫ではないかと思います。もし7割行かなかったとしても中国語でアドバンテージを取れば精神的にも楽です。進学コースなど準備時間が十分あるので、その中で実力を上げることが出来ます。その点はあまり心配しなくても大丈夫だと思います。

 本科の授業について

 中国語に関して言うと、予習をきちんとしていれば80~90%は内容を理解できます。
また先輩から「授業をしっかり受けて、復習をやれば大丈夫」と聞いていたので、それを自分に言い聞かせながら勉強しています。継続は力なりといいますが、毎日コツコツやることが一番大事だと思います。

 キャンパスライフはどうですか?

 クラスにはアジアからの留学生が比較的多いですが、アメリカやヨーロッパまたアフリカからの留学生もいます。
私は、大学のサークルに参加して「自分は留学生だ。日本人だ」ということをアピールして中国人の友人を作り、中国語を使う機会を作りました。中国人の学生は日本人とわかっても非常にフレンドリーに接してくれます。留学生には優しく想像以上に気さくな学生が多いと感じています。その意味からも私は中国人医学部生とは仲良しです。彼らから「わからない問題があれば聞いて」というようにすごく親切にしてもらっています。一緒に勉強したりしますが、教え方が上手で理解しやすく教えてくれるので大変優秀だと思います。積極的に話しかけていけば、世界規模で人脈が広がります。
自由時間はよく映画を見ています。アメリカの映画は英語音声で中国語の字幕が付きます。それが勉強になるので見始めました。配給は日本より早めです。ネットでも同様の環境で鑑賞可能なので利用しています。
T.S.さん
 日本の医学部と比較して違いはありますか?

 留学することによって多言語を高レベルで習得することが可能です。また、中国は患者数が多いため、実地経験の量が圧倒的に多く、技術力を養成する機会がたくさんあります。
在学中にある程度の医学レベルも語学のレベルも高くなることがわかっているので、日本と比較してもかなりレベルは高いのではないかと思います。以前病院の研究発表会に参加した際、日本人教授の講演を先輩が通訳しているのを見て、医学レベル・語学レベルともに高かった記憶があります。

 留学してよかったですか?

 良かったです。休暇で帰国した際、周りから「成長したね」とよく言われます。渡航前は自分から何かしようとか目的意識を持って勉強することがありませんでした。中国に渡ってからは自分から行動するようになり、とてもアクティブになったと思います。一人暮らしということもありますが、自分から変えていかないといけないという気持ちが芽生えました。挑戦したいという気持ちがあれば迷わずチャレンジすべきだと思います。だって必要な能力を備えた医師になりたいではないですか。中国語力・英語力以外に何か国語が身につくか楽しみです。
最初は迷いましたが、私は中国に行って良かったと思っています。やる気のある後輩がどんどん来てくれたらいいなと思っています。